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AIの普及で経理職はなくなる?メディアに踊らされず未来戦略をたてよう!

ここ数年、経理職周りで、「経理職はAIに置き換えられて、なくなる」という不安を煽られる記事をよく見かけます。

そのため、経理職の中には「このままいくと仕事を失うかも。。」という不安にさいなまれている人は多いのではないでしょうか?経理職として働いているわたしも、まさにその一人です。

今回は、本当に近いうちに経理職はなくなっていくのかをリサーチしてみました。経理職としてどんな未来ビジョンを描いていけばいいのかを考察していきます。

【結論】経理はなくならない!

はい!結論です。どどん!経理職はなくならないです

「経理職はAIに置き換えられてなくなってしまう」、というのはなはだセンセーショナルすぎて実態と乖離しすぎているのではないかと思います

「なくなる」といった方が得する側の広告戦略

そもそも「経理がAIに置き換えられる」という内容をオブラートに包んで垂れ流している黒幕は、「クラウド専業ベンダー」もしくは「アウトソース企業」の広告です。

よくある広告は、

自動化により、経理社員を雇わなくてよくなり大幅にコストカットできます!

経理社員による属人化を防ぎ、業務効率化を目指せます!

といったところです。

画像:Google

「自動化」「効率化」という魅力的なワードを前面に打ち出せば、最終意思決定者である経営者の頭に、経理部の人員削減によるコストカットがよぎるでしょう。

では、これらのクラウド専業ベンダーのシステムツールによって、実際に中小企業経理の効率化が図られているのでしょうか?

会計システムを例に取ってみてみましょう。実は、中堅・中小企業向け会計ソフトシェア率に占めるクラウド専業ベンダーの割合は、なんとたったの1.2%しかないんです

画像引用:ビジネス+IT

あれ、(ピー)や(ピー)など、広告強いクラウド専業ベンダーはどこにもないね?

昔ながらのインストール型主流の「勘定奉行」「弥生会計」が上位を占めているあたり、経理の現場はかなり保守的です。保守的な経理の現場に、新興のクラウド専業ベンダーがシェア率を伸ばしていくのは相当難しそうです。

まだ全然シェアが取れていない。だったら、もっと広告を打ち出していく必要がある。ということでしょうか。

やはりシステム開発会社の広告戦略により、「経理の仕事がなくなる」というイメージが実態と乖離して膨れ上がっているようです。

売らんがための完全なるポジショントークですね。

今時点では、経理部の存在が危ぶまれるほど、AIによる劇的な変化が現場レベルで早急に起こっているかというと、はなはだ疑問です。

が、クラウド専業ベンダーの広告が花盛りということから、システム化の波が押し寄せていることは事実です。経理職として未来をどうとらえていくのかを考える必要はあります。

ただ、メディアの煽り記事から必要以上に不安に陥ることなく、しっかり戦略を練っていきましょう。

経理の仕事内容は大きく変わっていく

経理職そのものはなくなりませんが、やはりシステム化の波は押し寄せていますので、経理の仕事内容は大きく変化していくことが予想されます

現在の経理は、会社の取引を簿記のルールに則って数値化し集計を行い、決算書として完成させる役割を担っています。実は現時点でも、かなりシステムによって自動化されています

簿記のルールは、取引発生→仕訳→帳簿へ転記→試算表→決算書、という流れで行いますが、会計システムでは、仕訳を登録すれば、あとはシステムが自動で決算書まで作成してくれます。最近の会計システムには、一度発生した仕訳をシステム登録すれば、次の発生からは自動で仕訳を行ってくれる機能も登場しています。

自動化の主流ツールであるRPAは「取引発生→仕訳→帳簿へ転記→試算表→決算書」といった、定型業務の自動化が得意です。そして、RPAの市場は、かなりの勢いで伸びています

画像:RPA市場規模推移・予測

引用:矢野経済研究所

このことから、経理を中心とするバックオフィスの定型業務のシステム開発はこれからも盛んに行われると予想できます。(煽り広告も。。)

それにともない開発企業間のコスト競争が起こり、人件費よりシステム導入費用が安価になれば、経理の定型業務は人ではなくシステムが担うのがあたりまえになるでしょう

定型業務がなくなると、どのような業務内容が経理の主流になっていくでしょうか。

考察①ITセキュリティなどの監査対応がメインになる

システム化が進めば、各部署の新規導入システムと会計システムとの連携を図る必要が生じます。それにともない、情報漏えいのセキュリティリスクも上昇します。


社内経理にはITセキュリティの監査知識を持つものが重宝される流れになるのではないかと。経理とIT部門、監査部門が統合されていくイメージです。

考察②参謀役としての業務ウェイトが上がる

定型業務の自動化が進めば、それまで定型業務に忙殺されていた時間を、別の業務に使えるようになります。

過去の積みあがった数字を分析し、未来の数字を予想し、経営に踏み込んだ戦略提案を行う参謀としてのウェイトが上がるのではないでしょうか。

経理職として今後どのようなスキルを磨くべきか

未来の経理職。ポイントは経理+αです。

経理知識と経験に加え、以下3つのαがあれば重宝されるでしょう。

部署間調整能力(コミュニケーションスキル)を磨く

コミュニケーションスキルは、AIには代替えされようがないスキルです。

業務部門とのコミュニケーションは積極的にとるようにしましょう。

特に、業務部門とのシステム連携に携われば、関係部署との調整能力(コミュニケーションスキル)を示すことができます。ですので、ITに疎い企業に勤めている方はチャンスでもあります。

 

うちの会社は、IT疎いけど、取引先もそうだよ!紙でハンコを押した請求書じゃないと受け付けてくれないよ!

という会社も多いでしょう。

しかし残念ながら、こういう会社は淘汰されていくかもしれません。DXの流れは、大手が加速させていくでしょう。大手取引先からの圧があれば、システム導入に腰の重い企業であっても導入せざるを得なります。(体験談です)

「うちの会社は関係ない!」と現状に甘んじていては、人材としてもあっという間に転職市場から取り残されます。バックオフィス系のシステム開発に関するニュースは常にチェックしておきましょう。

システムの導入経験は、転職市場でもかなりアピールできるスキルになりそうですね。

システム監査力を高める

会計システムは、銀行のネットバンキングやクレジットカード情報、社内の業務システム連携を行い様々なデータが集約するHUB的存在です。連携により便利になればなるほど併せて考えないといけないのが情報漏えいリスクです。

システム導入とセキュリティ研修はセットで行う必要があり、経理としてもどのようなセキュリティリスクがあるのか知っておきたいところです。

経理は会計監査にはなじみがありますが、これからはシステム監査も同じように重要になってきます。財務三表の元となるシステムデータの信頼性、整合性を図るためにも、システム監査について勉強することは今後おおいに役に立つでしょう。

参謀能力を高める

経営者は孤独です。会社員は、会社が赤字になっても毎月給料をもらえます。ですが経営者は毎月利益を出せるとは限りません。コロナ禍で利益が下がり頭を抱えている経営者も多いでしょう。

毎月固定で収入を得られる会社員と、毎月利益が変動する経営者。この感覚の隔たりは大きいです。

経営者の気持ちというのは経営をやってみたものにしか理解できないです

そこで、自分でもなにか副業を始めてみましょう。副業は自分自身で仕事を勝ち取らないと収入が0円です。継続して売り上げを立て、事業を存続していくということがいかに大変なことかを肌身で理解でき、経営者の気持ちが理解できるようになるでしょう。

数字の面だけでなく、気持ちの面でも経営者をアシストし信頼を勝ち取りましょう。経営者に信頼される参謀役はAIには代替えされません。

会社員が副業を始めることには他にもたくさんのメリットがあります。

給与以外に別ルートから収入が得られるようになると、精神にかなりの安定がもたらされます。「会社員クビになってもやっていける!」と自信がつきますし、経営者に対して、保身に走らない本気の戦略提案ができます

攻めの経理職として強気でAIに負けない存在感をアピールしていきましょう

まとめ

以上、AIの普及で経理職はなくなっていくのかを考察しました。結論、経理職はすぐにはなくならないですが、仕事内容は大きく変化することは避けられないでしょう

未来をやみくもに恐れるのではなく、きちんと足元の業務を拾いつつ、市場リサーチから戦略を練っていきましょう。受け身ではなく、自ら戦略を練る姿勢で挑んでいけば、必ず道は開けます。

かなり独断と偏見による考察をつらつらと述べてしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。未来の変化を楽しんでいきましょう!

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