今回は、バリバリのワンマン社長によるワンマン経営の会社に3年勤める私が、ワンマン社長ならではのメリット&デメリット、ワンマン社長の会社で働き続けるコツをまとめました。
これからワンマン社長の下で働くかもしれない、もしくは現在進行形で働いているどなたかの参考になれば幸いです。
ワンマン社長の会社で働くことのデメリット
早速デメリットからの提示かいw
客観的にみても、ワンマン社長の会社で働くことはデメリットの方が多いです。代表的なデメリットを3つご紹介します。
評価基準は社長の直感
ワンマン社長の下では、評価基準は実に曖昧です。社長の鶴の一声で突然評価されたり落とされたりします。
評価基準の不可解さから、直接社長に「評価基準はなんですか?」と尋ねたところ、
直感!(キリッ)
と思いっきりドヤ顔で言い切られたときは、おったまげました。
直感とは言え、社長に対し「イエスマン」であれば評価に直結するので、ある意味わかりやすいとも言えます。
反対に、社長にモノ申す系は「頭が高い!」ってことで即打ち切られます。
一世一代のオーナー社長は、ワンマンゆえにすべて自分で結果を出してきたという自負があります。一介の会社員の意見なぞ目もくれません。
管理職としての出世にうま味なし
ワンマン社長の会社は社長が身近なので、部下が上司を飛び越え、社長に直で上司のクレームをいう事はザラです。
社長、相談があるのですがちょっとお時間よろしいでしょうか?
おう、どうした?
実は上司の”ゆっさん”のことですが、指示が不明確で現場の若手は混乱しているんです。他にも、うんちゃらかんちゃら・・・
なるほど、わかった。報告ありがとう。
(しょうがねぇなぁ、まったく ブツブツ)
へ~っくしょーい!
お?誰か俺の噂してるな????
こういうケースでは、社長から叱責を受けるのは、間違いなく部下ではなく管理職である上司です。
ワンマン社長は一兵卒には甘く管理職には厳しいです。管理職にはそれなりの給料を払うので、それなりの対価を要求してきます。
大金払ってんだから仕事しろよ
ということです。
しかし残念ながら、そもそもワンマン社長の会社ではマネジメントは機能しません。
ワンマン社長の鶴の一声ですべてがひっくり返るので、管理職の発言は重みをもたないからです。
管理職が絵に描いた餅であることを部下は知っています。にもかかわらず、社長からは「もっとマネジメントしろ!」と無理難題を要求されます。
数々の中小企業を見てきた顧問税理士の先生に話を伺ったところ、
ワンマン社長の下で管理職になるほど労に見合わないことはない!
と断言されていました。
コンプライアンス意識が低い
ワンマン社長は、会社の存続が一番大事であり、そのためには法令違反もいとわないです。よって過去に退職した社員から恨みをかい、労基署にタレコミされているケースが想定されます。
厚生労働省は、毎月一定の計画に基づき定例監督という調査を行っています。過去に労基署にタレコミされた会社は定例監督調査に入られる可能性が高まります。
この調査結果からは、なんと定例監督を実施した会社の7割が法令違反を行っているという事がわかります。
調査結果は、「労働基準監督年報」から確認することができます。
(図表:違反率の推移)参考:労働基準監督年報
法令違反として多いのが
・労働条件の明示
・長時間労働
・割増賃金
・賃金不払
です。これらのデータを、ワンマン社長の会社に当てはめてしっかり対策を練りましょう。
ワンマン社長の会社で働くことのメリット
ワンマン社長の会社で働くことは、わずかながらメリットも存在します。
社長の意思決定が早いので仕事がスムーズ!
ワンマン社長は、とにかく意思決定が早いです。
何かを提案し、社長のお気に召すと
よし!やれ!
で即決します。話が早いです。
スピード重視で仕事を進めたい方にはおすすめです。
社長に気に入られればとことん働きやすい!
社長に気に入られれば、即効で昇給します。昇給だけでなく、勤務形態もゆるゆるにしてもらえます。
会社には飾りのような就業規則が存在しますが、ワンマン社長の会社は社長が絶対的ルールです。
但し、働きやすさは「社長に気に入られる」という不安定な前提条件によって成り立ちます。前提条件が崩れてしまえば、即打ち切りになります。
このメリットは諸刃の剣だな!
社長という生き物に幻想を抱かずに済む!
「社長」という言葉は、それだけで凄い!って幻想を抱きませんか?
実際儲かっているときは、社長自身も自分の事を過信して大きく見せてきそうですよね。
「社長」という肩書には錯覚資産が多分に含まれています。
ワンマン社長の会社で働くと、これらの幻想(必要以上にすごいお方だと思ってしまう錯覚資産)を抱かずに済みます。
社長との距離が近いがゆえに、社長という生き物は本当は弱き生き物であると知ることができます。
社長の頭に500円玉ほどのハゲが何個もできているのを見つけたときは驚愕しました((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
社長との距離が近いと、社長業の過酷さが垣間見え同情心が芽生えます。
結果、無駄に争う事はなくなります。人は小さき弱き生き物なり~。
は?お前、何様だよ?
ワンマン社長の会社で働きつづけるコツ
ワンマン社長の会社に勤めて、早3年が経過。その間、上司、同僚が数多く立ち去っていきました。
ワンマン社長の会社で働き続けるためのポイントをまとめました。
複業体制にシフトせよ!
ワンマン社長の会社は、社長という絶対権力者とうまくやっていけているうちはいいのですが、ひとたび関係性がこじれたら、会社に居づらくなります。
収入源が1つのみですと、ワンマン社長のごまをすって必至に会社にしがみつく必要が生じます。
ここはぜひともリスクヘッジとして副業を行いましょう。
仕事を複数持つことでワンマン社長に依存しなくてよくなります。
ワンマン社長の会社で働き続けるには心の安定が一番大切です。
複数の逃げ道を作っておくことで心は安定します。
昇給はしないと割り切る!
ワンマン経営の会社では昇給を目指さず、仕事を効率化し、時間を捻出することに注力しましょう。
ワンマン社長は、会社への思い入れの強さゆえに利益を圧縮するコスト増には敏感ですが、給料が市場相場であれば、過度なプレッシャーをかけてくることはありません。
離職率が高いワンマン経営の会社では、あえて給与額を転職市場の平均額より高めに設定している可能性があります。
市場価格と乖離した高い給与をもらい続けてしまうと、辞めることの難易度が跳ね上がります。
ワンマン社長の会社に長く勤めるコツは、逆説的ですが「いつでも辞められる」という精神状態でいることです。
昇給には慎重になるべきです。
なんつー消極的対応策だ!
(でも真理かも)
まとめ
以上、ワンマン社長の会社のメリット&デメリット、ワンマン社長の会社で働き続けるコツをまとめました。
ワンマン社長は、会社に対する思い入れがかなり強いです。ワンマン社長にとって、会社は自分の分身と言えるほど大事な存在です。
ワンマン社長の特徴を理解した上で、一歩俯瞰して、淡々と仕事を行っていきましょう。