今から3年前の2017年、テレビCMをバンバン流している増収増益の大企業から、設立5年目の中小企業に転職しました。当時、4歳と1歳の子どもを抱えながら!
周りには、出産後に退職する人はいるものの、子連れ転職する人はいませんでした。大企業という安定のマザーシップから飛び出したら、厳しい現実にさらされるとおもうからです。
私が転職するときも、相当止められました。本社社長代理という口八丁手八丁の手練れ直々に「やめとけ!」「絶対後悔する」と言われ、恐ろしくて涙した恥ずかしい過去の記憶。
でも、あれから3年たった今、本当に転職してよかったなあと。「悔いなし」って感じでいます。
今回は、ワーママ転職に関する体験記事です。
転職しようと思っていても、子供が小さくてなかなか動けないワーママは多いと思います。
大変おこがましいのですが、その方たちの気持ちをすこしでも軽くして、生き生きとワーママ人生を送っていただきたいと思い、記事をかきます。参考にしていただけたら、幸いでございます。
それでは、スタート!
大企業ならでは起こりうる「マミートラック」問題
大企業はなんだかんだで、福利厚生面が充実しています。私は前職の大企業にて2人の子を出産、産休育休を取得しました。
産休育休の手続きもスムーズでした。取得中もなんの遅延も無く休業手当を受けられ、休業中にボーナスまでもらえました。大企業様々って感じでした。
そう、育休中は!
だけど本当に重要なのは、育休からの復帰後にどれだけ働きやすいか!です。
私の場合、いざ職場復帰してみて、少しずつストレスが大きくなっていき、
このままでは働き続けることができない!と感じてしまいました。
何が働きづらかったのか。それはずばり、マミートラックです。マミートラックとは、子育てしながら働く女性が、子育てと仕事の両立をしていく中で昇進や昇給などの機会が難しくなるキャリアコースをさします。
私は職場復帰後、完全にマミートラック状態でした。復帰日に、上司から言われた一言は、
「仕事しなくても大丈夫だから。」
でした。上司にはなんの悪意もありませんでした。

なにもしなくても給料もらえんだろ?いいじゃねえか!
人によってはこの環境を「うらやましい」と思うかもしれません。
1歳の子どもは、とにかくしょっちゅう熱をだし、その都度保育園から呼び出しを受け会社を早退しなくてはいけませんから。会社としては、なかなか責任のあるポジションにはおけないでしょう。
時間的制約のあるワーママではなく、優秀で時間的にも余裕のある人材をつけるでしょう。責任あるポジションにつける人は大企業にはいくらでもいます。
大企業は余剰人員をかかえる体力があります。マミートラックは、体力のある大企業ならでは起こりうる悲劇です。
大した仕事を与えられず、終業時間までやり過ごす毎日に、「ぶら下がり社員なってしまった」と、徐々にストレスを感じていきました。
ひたすら簡単な事務作業を行う毎日は暇でした。そして暇すぎると、色々ネガティブな考えに意識が引っ張られてしまい辛かったです。
子どもがいたら、昇給できないという現実を突きつけられる
そもそも日本の法律では、祖父母などの支援があったりベビーシッターを使ったりしなければ、子どもを育てながら仕事に集中できる環境を構築することが難しいです。
「3歳の壁」問題
「育児・介護休業法」では「子が3歳まで時短勤務が取得できる」というふうに定められています。そして会社は、この法律に基づいて就業規則を作成していました。
そのため、3歳を過ぎたら、誰でも一律に通常勤務に戻らないといけなかったのです。就業時間と保育園の開閉時間のズレで、どうしても時短勤務をしないと働けないというワーママは多いでしょう。
3歳をすぎて時短勤務を申し出ることは、会社の就業規則のルールを逸脱してしまうため、正社員からパート社員に変わらなければならないと暗に上司から言われました。
「小1の壁」問題
保育園は厚生労働省の管轄で「児童福祉施設」となり、働く親に代わって子どもを預かるという存在です。しかし小学校は文部科学省の管轄する「教育施設」です。教育を受けさせるための施設であって、子どもを預かる施設ではありません。
そのため、小学校に上がるタイミングで、会社を辞めるワーママは多いです。
時短勤務による減給
保育園の開閉時間に合わせた就業時間で働こうとすると、どうしても時短勤務を余儀なくされます。時短で早く帰る分、基本給が下げられるんですよね。労働時間の提供に対して対価を受けているので当然といえば、当然なのですが。
ただ、業務効率化を推進して、時短の範囲内で通常勤務と同じ作業量をこなしたとしても、そこは評価基準ではなく、やはり時短した分は減給されてしまうのです。労働時間の提供に対して対価を受けているので当然といえば、当然なのですが。
納得がいかずとも、そのような仕組みの中で働いている以上、受け入れざるを得ない現実なのでした。
結局、大企業は個別の事情は見れないんですよね。一人ひとりを確認しだすとキリがないから、すべて同一のルールに則って処理されているんだとわかりました。そのために、大企業はきちんとした就労設計がなされています。
また、優秀な人が集まっているため、誰かがレールから外れても、別の誰かが新しく走り出します。仕組みが整うというのは、まさにこういう事なんだなと実感しました。
そして、マミートラックからの脱出を・・・
納得いかないなら転職するしかない!このままくすぶっていても時間だけが過ぎてしまう。何より精神的なストレスが半端ない!ってことで、水面下で着々と転職の準備をしていま、、、、、
せんでした。

正直だな、おい!
転職の準備なんか全然できていませんでした。嫌だなあ~と思いつつも、怖くて動き出せない毎日でした。ただひたすら、くすぶった毎日を過ごし、時間だけが過ぎていきました。
会社で、いてもいなくてもどうでもいい存在として過ごすうちに、自分に対する自信が底をついて無くなっていました。今思い返しても、かなり卑屈な性格になっていたなあと。
仕事って、やっぱり影響力が大きいんですよね。1日の大半、仕事しているわけですから。
もちろん、「一番大事なのは家族であって、仕事はたかが仕事だ」という意見もわかります。
ですが私にとっては、自分が心の底から納得のいく働き方をしないと、家族に笑顔で接することは不可能でした。
それだけ自分にとって大事なことでありながら、小さな子どもを抱えつつ大企業という椅子から飛び降り、転職することへの恐怖はなかなかぬぐえませんでした。
そんなとき、かなり前に登録しただけで放置していた人材紹介会社から、1通のスカウトメールが届きました。なんとなく目にしたところ、その求人にはこう書いてありました。
「短時間正社員」
それを見た私は、すぐにメールの中身を確認しました。そして、その日のうちに履歴書と職務経歴書を作成し、人材紹介会社に送りました。
「そもそもが短時間の契約なら、3歳の壁も、小1の壁も関係ない!時短による減給もない!」
そう感じてすぐに飛びついたのでした。
そして、、、、
実際に仕事の詳細を見て、ひどくためらいました。

おめぇ、そうとう優柔不断だな!
はい。もうぐらっぐら揺らいでました。
やっと重い腰を上げ、転職の一歩を踏み出したかとおもいきや、仕事の詳細が記載されたレジュメを見て、ズ~ンと暗い気持ちになりました。世の中そんなにうまくいかないと。
その会社は、社員の8割が中国人の中小企業でした。社長も中国人でした。しかも私は中国語が話せません。
大企業のぶら下がり社員が、全くの未知の世界に挑む。しかもボスは外国人。どうしよう。ああ、どうしよう。
かなり迷いました。

おまえ、何がしたいんだよ!?
よくわかりません。さんざん迷って、最終的には、応募することにしました。
怖いけど、このままマミートラックでくすぶっていてもしょうがない!という気持ちが勝りました。同時になんとなくですが、心がワクワクしたんですよね。未知の世界を知りたいと。
なので、直感とタイミングに全力で乗っかることにしました。
本能に従い、現在の中小企業に「短時間正社員」として転職しました。育休復帰から7か月後のことでした。
中小企業ならではの居心地のよさ
転職したこの中国系の中小企業、か~なりゆるゆるです。
具体的には
・勤務時間は自己申告でOK。
・やることやっていれば少々の遅刻、早退は見逃される(というか超個人主義で他人に興味がないw)
・欠勤は、当日LINEで「休みます!」と連絡いれればOK
まあ、とにかく、やることをやっていれば「モーマンタイ!」ってやつです(笑)

だからやることやった今、就労中に、このブログを書いております(笑)
心配した中国語も大丈夫でした。中国人たち、めちゃくちゃ日本語上手です。毎日タダで中国語のヒアリング力向上トレーニングを受けられております(笑)
そして、もう1点大きな利点がありました。「日本人特典」というやつです。今現在は日本人が私一人になってしまったので、「日本人」であるというだけで希少性が出ています。
大企業では、いてもいなくても、どちらでもいい存在でした。転職後は、ただ日本人であるだけで、そのままで存在価値を感じています。
環境を変えただけで、いてもいなくてもどうでもいい存在から、いないといけない存在になれました。
転職するために、何か特殊な能力を身につけたわけではありません。そのままのスキルで、ただ会社をスライドさせただけです。環境を変えただけです。
「人は環境の奴隷」といいますが、まさにそうだと思います。
結局、人ができることは限られており、努力でできることも限られている。環境がものをいうのだと。
だから、もし「今の現状がつらい、自分は何の役にも立っていない」という方がいたら、それはあなたがダメなのではなく、ただ単に環境があっていないだけだと断言できます!
まとめ
以上、私の経験談からの「ワーママが働きやすい職場は安泰大企業とは限らない!」をお送りしました。
もちろん、大企業or中小企業といっても、会社はたくさんあるので、各会社個別の事情があるでしょう。どちらがいいかは一概には語れません。
ただ、ワーママにとって、ルールや決まり事が厳しく仕組化されている環境はとても厳しいと感じました。そもそも子どもはルールや決まり事を無視して生きる自然現象そのものなので。
だから、一人一人の生活状況を考慮して、柔軟に対応してくれる就労環境であれば、かなり働きやすいと思います。
会社はたくさんあるので、ずっとマミートラックでくすぶって辛い日々を過ごしているなら、そのまま自己肯定感を無くして大企業にしがみつくよりも、仕事を探してみることをお勧めします。
2023年の今は、時短社員だったり、在宅ワークだったり、色々な働き方ができます。ゆるゆると、探してみるのもいいんじゃないでしょうか。チャンスは広がっていると思います。
自分にあった働き方を探して、生き生きと働いていきたいですね!