今の仕事が自分に合っていない気がする。でもせっかく世間的に一流と呼ばれる企業に入社できたんだし辞めるのはもったいないよな・・・
別に今の仕事が嫌ってわけではないけど、でもこのままでいいんだろうかって思ってしまう。どんどん時間だけがすぎていって焦るな・・・
もう歳だし、新しいチャレンジをしない方がいいのだろうか。失敗したときのリスクが高すぎるし
長い職業人生において、キャリアに迷うことって一度や二度ではないですよね。
特に今はとても変化の激しい時代です。スピードが速いからこそ、キャリア選択を失敗したときのリスクを大きく感じてしまい、時間を無駄にする事への不安がつきまといます。
今回は、そんなキャリアの岐路に立つ迷える子羊の心を軽くする本を紹介します。
本のタイトルは「悩みどころと逃げどころ」です。
「悩みどころと逃げどころ」本の要約
「悩みどころと逃げどころ」は、社会派ブロガーとして活躍するちきりん氏と、日本初のプロ格闘ゲーマー梅原大吾氏との対談本です。
経験や立ち位置が全く異なる二人が、学校教育というフィルターを通し「いい人生」について真剣に議論しています。
学歴エリートのちきりん氏と、授業中はほとんど寝ていたという梅原氏から発せられる言葉は水と油のごとく対照的です。
そんな二人の共通点は、「自分の人生はいい人生」と胸を張って断言できるところ。
いい学校からいい会社へとレールを敷く「学校的価値観」から抗いまくり、時に回り道をした過去があればこその到達だったと語っています。
重要なキーワード「学校的価値観」とは?
「学校的価値観」
この本には、このキーワードが数多く登場します。
学校的価値観に毒されると、すべてにテストの点のような客観的な基準が存在してると思い込んでしまうんです。勉強だけじゃなくて、仕事選びとかパートナー選びに関しても、こういう基準で選べば 成功しますよって誰かに教えてほしくなる。
「悩みどころと逃げどころ」より
ちきりん:自分がやりたいことを探すプロセスはけっして無駄ではないと思います。でも、3年やってみて結局その分野じゃなかったなら、それは無駄な3年間だと考える人も多い。
ウメハラ:それがもしかして……、
ちきりん:そう、学校的価値観。
「悩みどころと逃げどころ」より
「学校的価値観」に染まってしまうと、あがく時間そのものを無駄と考えてしまい、自分で考えて決断することができなくなってしまう、だから誰かが作った基準やレールをなぞりたくなるということでしょうか。
そういえばよくよく見渡せば、「学校的価値観」はいたるところで発見できます。
例えば、最近だと「副業」が話題ですが、SNS上で副業の情報収集をすると、「成功者を真似るのが一番の近道」との謳い文句と、成功?ノウハウで溢れかえっているなあと感じます。同じようなDM手法で、同じような営業メッセージが送られてきます。
そこにはどう見ても自ら考えぬいた試行錯誤の結果が表れているようには思えません。
誰かの真似するというのは早いし合理的といえるかもしれません。しかし、ちきりんさん、梅原さんのお二方はともに、自分で試行錯誤せずに誰かのノウハウをなぞる「学校的価値観」とは真逆の思考で歩んでこられています。
あがきまくるプロセスが人生に彩を与える
本を通して一番強調されていたことは、実際にアレコレ試してあがき、自ら答えを出すプロセスを経なければ、結果に腹落ちできず、人生に納得感が生まれないということです。
今、僕が「いい人生」だと思えているのは、何年も罪悪感や不安感に苛まれながら、悩んで葛藤して苦しんだ時期があるからこそなんです。そのプロセスを通じて確固たる”納得感”を得られたから、今の生き方に満足しているんです。
そこまでの”しっくり感”を得ようと思うと、相当にもがきあがく経験が必要そう。そういえば私の場合も、いい大学、いい会社っていう大きな船に乗って「何か違う」とは思ったけど、「やっぱココでしょ!」って思える場所にたどり着くまでには、相当の紆余曲折が必要だった。そういう、”もがきあがく体験”ってすごい貴重なんだね。
「悩みどころと逃げどころ」より
自分の頭で考え抜いてあがきまくった経験からでしか、”納得感”は得られない。そして、成功する事自体よりも、この”納得感”を持つことこそが人生の満足感につながるということなんですね。
挑戦してあがくプロセスは決して無駄ではない!との力強い言葉が響きます。
まとめ
「悩みどころと逃げどころ」は、スピード時代に対応したショートカットの成功ノウハウが溢れる中で、一見回り道に見えるあがきのプロセスの重要性を教えてくれる希少な1冊です!
何かに挑戦したくとも失敗を恐れて挑戦できずにいる、働き方に迷う会社員の方はぜひご一読してみてください。
きっとなにかしらのヒントが見つかると思います。