2023年10月からスタート予定のインボイス制度。
インボイス制度がはじまると、フリーランスにとって不利に働くのでは?という考察をよく目にします。
この記事では、インボイス制度がはじまることで打撃を食らうのは果たして一体誰なのか?を会社の経理担当者目線から考察します。
インボイス制度の序章!?消費税が上乗せされた請求書を受け取る
とある平日の朝。
いつものように出社し、仕事に取り掛かろうとメールを確認すると、取引のあるフリーランスのコンサルから請求書が届いていました。
ただ、いつもは80,000円のコンサル料なのに、金額が88,000円に値上がりしています。
そして「4月から既存のコンサル料に消費税分を上乗せして請求しております」とメモ書きされているではありませんか。

え?なんで急に消費税上乗せ?
このコンサルは、税金知識にものすごく長けているので、何かしらのインボイス制度対策なのか?といった第六感が働き、さっそく問い合わせてみました。
すると…

インボイス制度?いやいや全然関係ないよ。最近仕事が増えてるから会社と交渉して4月から報酬額を上げてもらったの。

本当は2~3万くらい報酬額上げてもらいたかったんだけどよ~。会社が渋るもんだから、じゃあせめてプラス消費税分くらい上げてよって言ったら通ったってわけよ。

なんだ、そうだったんですか~

(チッ!紛らわしいんだよ!)
・・・・・・・・・・・
ってことがありまして。
で、インボイス制度の先手対策でもなんでもなかったわけです。

第六感あてになんね~
が、しかし!一つ気になる発言がありました。

そもそも僕はインボイス制度がはじまっても課税事業者になる気はないよ。だって明らかに取り分が減るからね~。

え!?まさかのインボイス制度に無反応!?
インボイス制度がはじまったら何が起こるのか?
巷でささやかれているのは、
インボイス制度がはじまったら免税事業者にとって大打撃になる、
という声です。
理由は、

免税事業者との取引は、課税事業者にとっては仕入税額控除が使えず増税になるからな。だったら免税事業者との取引を切って、課税事業者と取引するわ!

お~い、この子チェンジ、チェンジでおねがいしゃす!
というものです。
ただ、実際は取引を切るといった最終手段に打って出る課税事業者は少ないと予想します。
なぜならフリーランスを多く抱える課税事業者ほど、
そんな簡単に人員を交代することはできない(=代わりの人員見つけるのに一苦労)するからです。
それに、免税事業者のフリーランス側にしてみたら、課税事業者になったら増税することは確実です。
一体どれだけのフリーランスが好き好んで課税事業者へと移行するのか、はなはだ疑問です。

冒頭に登場したフリーランスは、「そもそも課税事業者になる気はない!」って強気でいってたしな。様子見する人も多そうだぞ!

ってことは、インボイス制度で泣きをみるのはやっぱり課税事業者ってこと…??
いえいえ、そんなことはありません。
課税事業者はどう対応するかというと…
免税事業者との取引においては、消費税を含めない金額に割り戻して支払う
ということになるかと…

ゲッ!ってことは、俺のコンサル料88,000円だけど、80,000円しかもらえなくなるってこと?
何も対策をしていないと、課税事業者、免税事業者ともに混乱が起きるのは避けられない状況になりそうです。

ってことで、「一体だれが泣きをみるのか?」の結論は...

どっちもってことじゃねーか!!!
会社の経理担当者は早急に対策を取ろう
インボイス制度の申請は2023年3月31日まで、制度がはじまるのは2023年10月1日です。

まだまだ時間はあるぜ~。余裕余裕!
と思いたいところですが、

場合によっては免税事業者と契約額そのものを見直すべく、話し合いの席を設けることになり、交渉が難航するかもです。
まだまだ時間があるとは思わずに、早急に、現在取引中の免税事業者との取引額の洗い出しや、契約内容などを確認した方がよいでしょう。

(ひ~、めんどくさそうな仕事ばかり降ってきやがるぜ…)
インボイス制度、今後の動きがどうなっていくのか要チェックです。
お得な簡易課税制度もあるので、免税事業者は要チェックです。