『鬼滅の刃』アニメ第2期『遊郭編』の放送が決定しましたね!
『遊郭編』といえば、このお方。音柱「宇随天元」
TVアニメ「鬼滅の刃」遊郭編ティザービジュアル(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
遊郭という夜の街を舞台に、イケメンの宇随さんがメインを張るストーリー展開、楽しみですね。
宇随さんと言えば、嫁が3人いるモテっぷりで有名ですが、実はそんな彼に引けをとらないモテ男が大正時代にリアルに存在しました。
その名も、大正ロマンの巨匠「竹久夢二」です。
竹久夢二は、「鬼滅の刃」と時を同じく、大正時代を中心に活躍した詩人画家です。
着物姿のはかなげな女性の作品が有名な竹久夢二。一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
竹久夢二:パブリックドメイン画像
「女を愛した事はない、女に溺れるのだ。」
竹久夢二には、女性遍歴において数多くの伝説があります。自身の日記や手紙にも、「愛の言葉」を多用しており、なかでも強烈なインパクトを放つのがつぎの言葉。
「女を愛した事はない、女に溺れるのだ。」
数々の女性との浮名を流しながら、自身の作品もどんどん世間に認められ、時代の寵児となっていく竹久夢二。その作品の裏には、彼に多大な影響を与えたといわれる特別な3人の女性が存在しました。
姉さん女房・たまき
たまきは、夢二より2歳年上の女性です。
数多くの女性と関係を持った夢二ですが、唯一たまきと戸籍の上で夫婦となっています。大変美しい人で評判だったようで、「夢二式美人の原型」となった人でもあります。
夢二が積極的にアプローチして交際に発展、その後すぐに籍を入れました。
が、「女を愛したことはない、女に溺れるのだ」との名言を放つ夢二です。結婚後も別の女性に溺れてしまいます。
たまき自身も大変勝気な性格だったこともあり、最後は殺傷事件にまで発展し、別れてしまいます。
永遠の愛人・彦乃
彦乃は、気のつよいたまきとは対照的な、「おとなしいお嬢さん」といった女性でした。
夢二より12歳年下の彦乃は、美術学校に通う女学生でした。自身も美術に造詣が深く、夢二に絵の教えを請い、そこから交際へと発展していきます。
おとなしいお嬢さんタイプの彼女でしたが、恋の力は偉大です。父親から、夢二との交際を反対されるも、それを押し切り夢二と京都で同棲をはじめます。しかし相思相愛の二人の幸せは長くは続きませんでした。
同棲後、結核をわずらった彦乃は、なんと25歳という若さでこの世を去ります。夢二の傷心は計り知れません。
彦乃は、数多くの女性と関係を持った夢二が最も愛した女性と言われています。
娘のような・お葉
彦乃との別れにより深い悲しみに暮れる夢二。一時は筆も手に取れないほどの落胆だったようです。そんな彼の元にモデルとして現れたのが、16歳の少女「お葉」でした。
10代とは思えぬほどの艶をまとい、モデルとしての立ち居振る舞いに魅了された夢二は、彼女と共に暮らすようになります。
お葉はモデルとしての才能にすぐれ、夢二は彼女をモデルに数々の作品を生み出します。お葉は「夢二式美人画の源泉」と言われています。
そんな夢二にとってミューズであったお葉でしたが、やはり恋多き男である夢二との恋愛は一筋縄ではいきません。壮絶な泥沼からの自殺未遂を起こし、最終的に二人は別離してしまいます。
理想の女性を追い続けた夢二
夢二の作品の背景には、3人の女性の存在がありました。3人の女性はそれぞれ似ても似つかぬ性格だったように思えます。
しかし、夢二の描く女性はどれも、
・なで肩で細身
・色白ではかなげ
・うつろな視線
と、現実の女性たちとは裏腹に一貫性があります。
夢二は、自身の理想の女性像をどこまでも追い求めていたのかもしれません。そんな夢二に女性たちは翻弄され続けました。
代表作「黒船屋」
女性は夢二の「理想」そのもの。
こちらの女性、露出が少ないにもかかわらず、ものすごい色香を放っていると感じるのは私だけでしょうか・・
抱かれている黒猫は、「夢二本人」であり、夢二の願望の投影だったのかもしれません。
時を超え愛される「夢二式美人」秘密は夢二が○○だったから
彼の創作物は、女性に溺れてしまうほどの恋愛体質を源泉に生み出されたものでした。
鬼滅の刃でいうならば、「音柱」ではなく「溺柱」でしたとさ。おしまい。
(なにこのオチ・・・)
※宇随さんは、夢二と違い、嫁3人を分け隔てなく愛し、自分の命よりも大切にしています。